フランスの村人たちを驚かせた猫泥棒の謎

フランス南部の猫の飼い主たちは、140匹以上のペットが誘拐され、時には拷問された事件で、一団の仕業ではないかと警察に捜査するよう求めている。

フランスの村人たちを驚かせた猫泥棒の謎
エロー渓谷で行方不明になった猫の書類。出典:Le Parisien

フランス南部の猫の飼い主たちは、140匹以上のペットが誘拐され、時には拷問された事件で、一団の仕業ではないかと警察に捜査するよう求めている。

モンペリエに近いエロー渓谷の村々では、今年に入ってから識別用のチップや入れ墨をした動物たちが行方不明になったと報告されている。数匹の猫は虐待された形跡があり、処分を余儀なくされている。1匹は足に9ミリ弾丸を受け、1匹は尻尾が一部引きちぎられていた。

ジニャックとペゼナス周辺の住民は、今年初めから多くのペットが消えていることに気づき、調査を始めた。トレッサン村に住むサイダ・オウナスさんは、シャム猫のチョコを失い、数十ページに及ぶさらわれたと思われる猫の写真が入った書類を警察に提出した。

「誰が、何を、どのように、なぜ、知りたいのです」と彼女はラジオ・フランスに語った。「引っ越しを考えていたのですが、もう無理なんです。チョコが帰ってきたら、そこで私たちを見つけなければならないのです"。

飼い主の会は、動物たちが毛皮や生物学的利用のために売られたり、スペインの実験室に売られたりする犠牲者かもしれないと考えている。地元メディアが報じたところによると、警察がこれまで通報を記録するだけで、捜査を開始しようとしないことに憤慨しているという。

「消息を絶った猫の数は非常にショッキングだ。RSPCAに相当するフランス動物保護協会のモンペリエ支部長であるアニー・ベネゼック氏は、「おそらく国際的にも人身売買が行われているのだろう」と述べた。

「猫がいなくなったという通報があっても、憲兵隊が動かなかったことに非常に驚いています。極めて異様な状況で失踪する動物を飼っている人に聴聞会が開かれないのは普通ではないので、検察に訴えます」と述べている。

今年に入り、トゥールーズ地区を含むフランスの他の地域でも、毒殺事件と同様に謎の「猫さらわれ事件」が報告されている。

2020年の夏には、国内の十数カ所でポニーや馬が切断され、明らかにサディスティックな儀式と言われる形で殺害されたという報道がメディアを賑わせた。警察が捜査したが、真相解明には至らなかった。

この夏、動物が話題になったのは、政府や動物保護団体の嘆願を無視してペットを捨てる犬や猫の飼い主が何千人もいたためである。

年間約10万匹のペットが捨てられており、この数字は、ペットが捨てられたり、空き家で餓死させられることが多いヨーロッパの国の中で、フランスを不動の地位に置いているものである。